チャンスに気づく

不動産投資で成功している人は、さわる物をすべて黄金に変えた伝説のミダス王のような能力を持っているのだと決めてかかるのはたやすい。しかし、そんなものは存在しない。彼らは、チャンスを見つける目を持っていて、それを現実の利益に変えるにはどうしたらよいかを知っているにすぎない。

たとえば10エーカー(約40,000平方メートル)の土地について考えてみよう。この区画は、四方をかなり大きな商店街に固まれ、大手小売チェーンのほとんどが付近のショッピングセンターに入っているものとする。近くには、従業員1,000人をかかえる大手のマイクロチップメーカーもある。

建て売り住宅の業者なら、土地が10エーカーもあれば一戸建て住宅を40軒建てられると考えるだろう。注文住宅の業者は、10軒の豪邸を想像するだろう。小売店舗などの商業施設のディベロッパーは、2つの大型小売屈を中心にして専門店やレストランが入った新しいショッピングセンターを思い描くだろう。集合住宅のディベロッパーは、クラブハウスやプール、トレーニングジムがついた総戸数150戸のマンションを思い浮かべるだろう。オフィスビルが専門の商業施設ディベロツパーなら、3階建てのオフィスビルが目に浮かぶかもしれない。言い換えれば、同じ物件を見ても人によって見え方は違ってくるし、それぞれの見方によって投資のリターンのレベルにも差が出てくるということだ。

チャンスに気づくための重要なポイントは、常識的に考えることにある。ミダス王の手を持っているような人は、物件や投資の機会を探すときに常識の力を使っている。この例では、交通量の多い商店街に固まれた10エーカーの土地に注文住宅を建てても売るのは大変だと、常識が教えてくれる。一戸建て住宅も同じくらい難しいだろう。ディベロツパーが、主力となる高級テナントを呼び込むことができれば、商店街をもう1つ作ることは現実的に可能だろう。しかし、そういう人気の店はすでに付近のショッピングセンターで営業しているかもしれない。この例では明らかに、集合住宅かオフィスビルが最も現実的な選択だ。なぜだろうか。その理由は、近くに雇用拠点、があること、この地域にマンションやアパートなどの集合住宅がないこと、商店街に近いこと、そして賃貸用のオフィス物件がないことだ。この例では、オフィスビルやアパート、マンションを建てるデイベロッパーが成功するチャンスが最も大きく、傍自にはミダス王の手を持っているように見えるだろう。だが、それは魔法ではなく常識にすぎない。

自分が常識の力を使っているかどうかを知るにはどうすればいいだろうか。それは簡単だ。あなたがある物件について誰かに話をしたときに、あなたの話はよくわからないと全員に言われたら、それは次のいずれかだ。1つは、それが革新的なアイディアで、相手が全員間違っていたと後でわかる場合。もう1つは、それが間違ったアイディアで、あなた以外の人は全員それがわかっている場合だ。99パーセントの場合、あなたの方が間違っている。話をする相手全員に対して、大変な思いをしてあなたの考えを売込まな砂ればならないとしたら、プロジェクトが完成したときの売込みも厳しいものになるということを覚えておこう。そしてお金がかかるということも。