レントロールの想定賃料の解釈

レントロール記載の想定賃料は、そのままあなたの事業計画の収益算出に転用しても良い、客観的で現実的な数値となっていない可能性が非常に高い、ということは理解できたと思います。

正しく現実的な想定賃料を理解するためには、レントロールの想定賃料を鵜呑みにせず、分析する必要があります。

売手の事情に依拠してシミュレーションされるため、売手側に都合よく設定されると書きました。仲介業者の役割として物件について保証するという面があるのだから、過大な価値付与は避け、低めに設定するのでは、という考えもあります。

想定賃料を高く設定し、物件価値を上げることは、実は買主にとっても購入商品の価値が高いということ以外にも、プラスになる要素があるのです。

大規模で物件価値の高い不動産に関して、金融機関やローン会社は、融資の可否を借主の資産や収入ではなく、対象物件の持つ収益性や価値に基づいて判断することが多くあります。当然、収益が大きく見込まれるほど、融資は通りやすくなります。なので、解約履行のためにあえて高めに設定することが、取引を行う両者にとってプラスとなるとも言えるのです。

このように、想定賃料は一つの数字ながら、無数の要素と思惑の絡み合った、複雑な事情の数値化です。自分なりのリサーチ、情報収集、判断力を用いて、収支計算で使用する想定賃料を算出する前に、レントロール記載の金額を見て、現況賃料と比べ、相場と比較して、どのような事情がよみとれるか、というプロセスを組み入れおいて、損になることはまったくないと言えるでしょう。

利益を生む物件

 投資した額に対して、いくらの収入が見込めるか。不動産投資の場合、その指標を利回りと言う。実際には後述するような複雑な計算が必要だが、分かりやすく言うと、毎月の家賃が購入価格の1%になっていれば、とりあえずはOKだ。例えば、購入価格が650万円だったら、この1%、つまり、6万5000円の家賃がとれるようならいいという計算になる。家賃が入っているので、この物件は、利回りのいい、利益を生む物件といえる。

 物件を見るときにも、この計算式を覚えておくと、とても役に立つ。例えば1200万円の物件なら、その1%、12万円以上の家賃が見込めるなら投資する価値があるが、それが難しいようであれば、利益を生みにくいといえる。

情報を見極める

良い物件を見つけるのは、山の中で針を見つけるようなもので、到底見つかる望みのないものが見つかるくらいすごいことだと思っている人が多いかもしれない。不動産を一度も買ったことがなければさらにそう思うかもしれない。物件を探すために新聞に目を通したり、不動産屋の物件情報のチラシをごっそり持ってきたり、インターネットでチェックしたり、車であたりを走り回ったりしているだろうか。そうしたことはすべて、あまりにも行き当たりばったりのように思われる。物件についてはたくさんの情報が巷にあふれていて、その情報を手に入れる方法もたくさんある。価値のある情報源はどれか、その情報にアクセスするにはどうすればよいかを知ることが大事です。

まずは目指す物件の条件を設定しましょう。 8世帯集合住宅の物件を見つけるという仮の目標をたてます。 自 分たちのマーケットとしてオールドタウンに注目します。目標は次のようになっている。今後 5年間にわたり、平均して少なくとも年に 4 000 ドルの収入を生む 8世 帯集合住宅を 1件、 1 2か月以内に都市部で購入する。などというように具体的に考えて見ましょう。

自分で予測した数字を使う

売主はあなたなら昨年の実績を向上させることができるとほのめかしている。あなたがどんな管理をしようとしているかさえまったく知らないくせに、である。彼らはお世辞を言っているのではない。あなたを「カモ」にしようとしているのだ。想像がついていると思うが、私がオファーを作成するときは自分で予測した数字、すなわち「本当」の物件家賃を考慮したものを使う。この戦略の良いところは、本当の数字を使っているので、交渉の際に自分のオファーが正しいと主張しやすいということだ。このように、収入を検証することは本当に簡単なことだし、この種のつじつまのあわない数字を見つけるのもかなりやさしい。収入は大抵誇張されているので、概算事業計画表の数字と自分で予測した数字が数千ドルになっても驚いてはいけない。そんなことはよくあることなのだ。
収入の話を終える前に、将来の潜在収入について触れておこう。将来の潜在収入とは、物件が現在の相場の家賃で入居率100パーセントという条件で、その他のすべての収入の機会を完全に活用できたときに生み出される「可能性のある」総収入だということを思い出してほしい。収入を検証するプロセスの中で、報告された家賃が相場よりもかなり低いとわかることもある。しかし、これはあなたの「チャンスカード」になる可能性もあるので、細心の注意を払って取り扱わなければならない。これこそ、不動産投資家が夢見るような、良い意味での可能性をもっている

物件が売りに出ていないとき

数週間かけて、自分が手がけるマーケットを絞り込み、サブマーケットを確定し、知るべきことをすべて知り、そのコミュニティのビジネスリーダーたちと話したあげく、ブローカーから悪い知らせが届く。あなたの判断基準に見合う物件は売りに出ていないというのだ。さあ、どうしたらいいだろうか。まだ続けるべきだろうか。町の別の地区を検討しはじめるべきだろうか。そのマーケットで条件に合った物件が出てくるまで待つべきだろうか。いや、そうではない。厳密に言えば売りに出ていない物件を買うために、行動をおこすだけでいいのだ。

私は物件が売りに出たときはもう遅いと信じている。その時点で他の買主候補たちと競争することになるし、自分が決めた売値を譲らない売主と渡り合わなければならない。私は、ある場所で波を見つけ、乗る価値があると判断したら、「売り出し中」の看板が出るのを待つなど悠長なことはしない。すぐに物件を買いに行くのだ。先に気づいた人が、他者を出し抜いて買ってしまうので、「売り出し中」の看板が立つ暇もなく買われていく物件も多いのだ。ここで重要なのは物件そのものであり、物件を正しく買うことだ。物件が売りに出ているかどうかは問題ではない。「どんなものでも売り物になる、正しい値段であれば」という格言を聞いたことがあるだろう。そう、ここでも同じことが言える。2002年に私たちが購入した物件のほとんどは、売りに出ていたものではなかった。それらはすべて、いち早く行動を起こし、オーナーに連絡を取って取得したものなのだ。

賃貸マンションの収支計算

賃貸マンションの収支計算をするとき、購入に伴って生じる一連の当初経費をどういう扱いにすべきでしょうか。この扱いによって、収支結果と利回りが大きく違ってきます。この点は、投資の成果、効率などを把握する上で検討すべき重要ポイントです。
最終収支が力ギを握る
賃貸マンションの収支計算では、賃貸料収入の年間合計から、その1年間に かかったすべての経費をひいて、手元に最終的に残る純利益で収支を考えるべきです。
新聞でよく目にするワンルーム・マンション広告では、賃貸料収入の合計額
を購入価格で割って出てくる利回り、あるいは賃貸料収入から管理費だけを引いて出てきた利益を使った利回りなどを使っています。
「投資の成否を判断するメド」として、こんな利回り数値を使うのはナンセンスです。購入者(脇の甘い投資家)にできるだけ魅力的な数値に見えるよう、分譲業者が使っている数値に過ぎません。

年間収支を把握するための第一段階として、まず物件を購入した年の収支がどうなるのか。この点を事例マンションのデータによって検証してみましょう。初年度にかかる 当初経費は、物件を購入後にその物件に入居するテナン トがスムーズに見つかるかどうかに関係なく、しかも多くの当初経費は、最初の賃貸料 収入が入金される“前”に出て行くものです。この点を忘れてはいけません。このためマンションを買って、それを賃貸に回して利益を得ょうとする投資家は、 物件購入資金とは別に、最低でも100 万円程度の資金を事前に用意しておくことが必要でしょう 。

純営業収益(NOI)を計算する。

物件について収入の潜在的な可能性を算定し、支出について適切な予測ができたら、今度は純営業収益(NOI)を判断する必要がある。最終的にこの数字に基づいてオファーを出すことになるので、これは非常に重要な数字となる。この数字を算出するのは簡単で、収入から支出を差し引けばいい。それがプラスの大きな数字になることを祈っている。しかも、大きければ大きいほどいい!

しかし、純キャッシュフローのひとつの指標となるこの数字を見て大はしゃぎする前に、この数字ではローンの支払額を考えに入れていないことを覚えておこう。ローンの支払額は、あなたがこの物件にいくら支払うか、頭金をいくらにするか、そして金利がどうかによって決まる。

NOI (純営業収益) = 収入ー支出

 

自分で調べるか人に任せるか

そうやって足で青報を集めることは、自分でやることもできるし、人を雇って任せることもできる。いずれの方法を選ぽうと、この作業をすること自体は多分良いことだ。ひとつには、自分が購入することになる物件についてますます賢くなるだろうし、もうひとつには、あなたが雇ったブローカーが紹介する物件についてよりよい判断ができるようになるだろう。しかし、このサービスを人にやらせるにはそれだけのメリットがある。

ブローカーはあなたが選んだマーケットで物件を見つけるのを手伝ってくれるし、それを100パーセント手数料ベースでやってくれる。それが彼らの仕事だ。取引が成立したら手数料が支払われるが、売主が支払うことが多い。第lに、ブローカーは自分のマーケットを専門にしている場合が多いので、あなたが目指すマーケットを専門にしているブローカーを選ぶことだ。良いブローカーを見つけることができたら、ブローカーはあなたにとって情報の宝庫となるだろう。彼らは、その町にやっている新しい小売店や、道路やハイウエーの親親ブロジェクト、どの企業が事業拡大や事業縮小をしているかということまで知ってる。筆2に、ブローカーはあなたの時間を大いに節的してくれる。彼らは物件をすばやく見つけ、いくつかの選択肢を提供してくれるだろう。集3に、ブローカーはあなたに代わって物件のオーナーに連絡することもできるので、早く作業を進めることができる。あなたが連絡した場合、たとえ10回やったとしても、おそらく成約にはいたらないだろう。最後に一一そしてこれが最大のメリットなのだが一一あなたの側には初期費用がまったくかからない。

ブローカーを雇ろとに決めたら必ず、信用できる人で、求めているだけの謹実さを待ち合わせている人を選ぶことだ。

何でもそうだが、ブローカーにも良し悪しがある。良いブローカーは、手数料目当てで働くのではなく、あなたと長期的な関係を築くことを重視している。また、マーケットで何が起こっているかを本当によく知っている。さらに、マーケットで何が起こっているかを安日っていることで「知られている」。彼らのコメントは新聞や雑誌に取り上げられ、地域社会で活発に活動している。そして、レターや電子メー/レであなたとひんぱんに連絡を取り合う。あなたとビジネスをするときは、細かな点についてよく対応し、先を見越して行動している。彼らはたいてい、トでトップの成績をあげている。「信頼せよ、覚えておこう。されど確認せよ」という言葉を覚えておこう。

地域の人口を図る

はっきりと定義される強烈な個性を持つ場所は、 雇用と同じくらい強力に人口を引き付ける。
うっとりするような建物があれば、その魅力に誘惑されそうになる。
人口の多い町の魅力的な建物は、買った後でもその魅力もいっそう輝きを増す。
あなたが賭けに勝ち続けようとするラスベガスのギャンブラーでもない限り、雇用や明確な個性が欠けている町でも、どんな人でも、あせることはない。人々を引き付けていないマーケットやサプマーケットには近づかないことだ。さて、マーケットが人々を引き付ける理由がいくつかわかったら、今度はその地域の人口をどうやって数字で測るかについて知る必要がある。ここで、例のチームが活躍することになる。市や町の職員と話したり、インターネットで役所のウエブサイトを見たり、ミ ーテイングを申し込んだりしよう。あなたも納税者のひとりとして彼らの給料を払っていることを覚えておこう。あなたは彼らにとってお客様なのだ。現実的な人口の予測をするためにできることは何でもしよう。彼らが非現実的な数字を並べたてたら、その楽観的な成長のシナリオに寄与している要因について、説明してくれるように頼むことだ。

情報をくれる人の中に人口の減少を予測している人が 1人でもいたら、それは悪い兆候だ。だが少なくとも正直なのは良い。私はいつも、非現実的ではなく現実的な指標を人々から得られると期待しているし、事実をありのままに話してくれる人を評価している。

実際に投資をする

不動産投資であろうと株式投資であろうと、はてはITの仕事であっても、成功するにはその道の専門家になっていなければならないと思い込んでいるケースがあるが、そもそも成功とは旅の過程であって目的地ではないし、成功者もみんな同じところから始めている。成功するには行動を起こすこと、そしてくる日もくる日もやり続けることによってのみ、私たちは専門家になることができる。不動産投資セミナーなどに参加して経験することによって知識と技術を身に付ける。しかし、それよりもっと重要なのは、初めての実際に不動産投資をしてそこから非常に多くのことを学べるということだ。 2つめ、 3つめの投資がさらに多くのことが学べる。そうやって実力をつけていくしかないと思います。